2015-09-03

Report on 本気合宿3 Day4-Last Day! 朝日小屋→五輪尾根→蓮華温泉

さていよいよ、本気合宿も大詰め、最終日となりました!
当初の予定であった栂海新道を日本海まで、というのは、前半に白馬岳に停滞した時点で消えてしまいました。
この時点で、五輪尾根を下ることは、いくつかの情報を重ねあわせて決めてありました。

そうなると、リーダーののりちゃんはルート状況の復習に余念がありません! 白馬の山小屋でみんなでケーキセットを食べているときから、何やらメモを始めて、最終確認をしていました。

さて、のりちゃんのレポートには、いくつかのことが書かれています。
ひとつは、事前の準備について。のりちゃんは控えめに書いていますが、ほんとうにこの準備はみんなたいへんだったと思います。仕事のあと、コツコツと進めてきてくれたのでしょう。
山に登る準備って、ほんとうにいろいろあるんですよね。

そして、食事にも触れています。
我がチームの食事、これ以上ないっていうぐらいの出来栄えです!!!Hitsuji たちの誇りでもあります!
・美味しい
・軽い
・栄養満点
・ボリュームあり
これ以上のことがあるでしょうか。


最後に、最終日のことが書かれています。
ヘッドランプを点けて先頭に立って歩くのは、さぞ緊張したことでしょう。
けれど、そういうプレッシャーに惑わされない歩行ができるように、みんななりました。

では、のりちゃんのレポートをどうぞ!


*****

今回私の担当は、3日目夕飯、4日目朝食の食当、事前の代替ルートの研究、4日目のリーダーでした。

一番大変だったのは、事前の代替ルートの研究でした。
交通手段から、入下山口、行程、テン場、水場、を3泊4日分自分で決めていくのは、時間がかかり、思っていた以上に大変な作業でした。
でもその作業を経験していたおかげで、2日目の停滞日に決定した、今回は栂海新道へは行かず朝日岳から蓮華温泉へ下りるルートを難なくイメージ出来ました。

まずは3日目夕飯から。メニューは大豆肉とたっぷり干し野菜のホイコウロウ定食。天気が良く、テントの外で食べました。

これが、大豆肉を使ったホイコウロウ!
脂っぽい肉を使うよりも胃に優しいように思います。
毎食出てくる乾燥野菜は、なんと、ハヤコさんがディハイドレーターで作ってきてくれました。
3回に渡る本気合宿のたびに!
乾燥野菜といえどもしっかり乾燥させないと、途中で腐敗してしまうので、湿気の多い東京の夏に天日干しは難しいです。
乾燥野菜を戻した水は、メインの調理に使ったり、スープ出汁にしたり。いい味が出ていました!

4日目朝食は、真空パックシュウマイ入り汁ビーフン。
ハヤコさんの干し野菜、今回も大活躍でした。ありがとうございました。

本来なら、栂海山荘の避難小屋で広々調理する予定だったので、手間がかかり共同作業が必須でした。
みなさま、ご協力ありがとうございました。

【8月24日・4日目】
朝1時起床、朝食、撤収、ウオーミングアップ。
全員が初めてのルートで、真っ暗闇。
霧の中、「緊張しない、大丈夫」と心に言い聞かせて、2:29先頭を歩き始めました。
今回の目標も甲武信ヶ岳の時と同じく、息が上がらないのんびりペースを保ち続けて歩く、でした。

3:50朝日岳、無事登頂。真っ暗。

4:39吹上のコル、栂海新道への分岐。空が明るみ始めました。

目指した道へは行けなかったけれど、やることやり尽くしたし、
ここにいたるまでにいろんなコトがあって、それとひとつひとつ乗り越えていくなかで
得たことはとても貴重な財産となったし、
だから、とても清々しい気持ちでした!
つぎの機会こそ、日本海まで歩いて行きたいね!
ザレてたり、ガレてたり、時に池糖が点在する素敵な高原の中を歩き、お花畑あり、湿原あり、獣臭のする森を進み、カモシカ坂と名のつく急坂を下り、真っ青な川も見ました。
大変変化に富んだ、歩き応えのあるルートでした。そして、眺望には恵まれなかったけれど、歩きやすい天候でした。
振り返ると、越えてきた山に朝日が!

木道もたくさん。緑濃くて、ついでに獣臭も濃くて。
大きな声で歌たたり、しりとりしたり、おしゃべりしたり。
ホイッスルに手拍子……。

天国のような風景も広がっていて、
五輪尾根もとてもいいルートでした。大満足。

最後に標高差300mの登り返しが!
しかし、ペースを保ちながら、しっかりと歩けました。


10回の休憩を挟み、12:17蓮華温泉、無事到着する事が出来ました。

ゴール!

もう1ポーズ、ゴール!


温泉に入ったあとは、バスで糸魚川へゴー!
その後、温泉→糸魚川の喫茶店で打ち上げ→北陸新幹線で、事故無く、怪我無く帰宅。

これが、ヒジョーに私たちらしい打ち上げ!
糸魚川の街は、月曜定休が多い上に中途半端な時間だったために、
ことごとく食事処が開いておらず。
海鮮食べまくりの夢は泡となりました。
けれど、めげません。
喫茶店でビールを注文したら、
マスターが「外のテーブルをどうぞ」「好きなつまみをそこいらで買ってきてね」と言ってくれて、
はい、つまみどころか日本酒まで買いました。
マッキー+Hitsuji-Sのセレクションです。
賑やか大笑いの楽しいひととき。


ハヤコさん、マッキー、ご一緒下さりありがとうございました。

ペースは自分の中では合格。
地図読みが沢山出来ました。
最後まで先頭を歩ききれて、良かったです。
3回の合宿で、ザレ場やガレ場に対する怖さがかなり減りました。これが一番大きな収穫です。
怖さが無くなる事が怖い事だけれど、これからは必要以上に怖がらずに済むと思います。
他にも色々思いは溢れてきますが、とても長くなりそうなのでこの辺で。


最後に
ずーっと見守って下さり、時に的確なアドバイスを下さり、このような機会を作って下さったHitsujiさんお二人に、大変感謝しています。ありがとうございました。

いつか又本気合宿で、栂海新道リベンジ、それから代替え案だった飯豊や朝日連峰、薬師岳に行かれたらいいです!

Report by 小池教子
なお、最後になりましたが、今回の3回に渡る本気合宿に際して、株式会社アライテント様から、参加者が使用するテント一式(タフライズ3)をお借りしました。
最近、ソロテントという言葉も生まれ、ひとりずつのテントが流行っています。Hitsujiたちも長いヒマラヤ登山のベースなどでは、早くから個人テントを使用してきましたが、今回のような登山スタイルの場合は、メンバーでテントを共有したほうが合理的だと考えています。
また、毎日毎日他者とテント生活を共有するなかでしか学べないこと、知りえないことも多々あり、それはテント生活の基本を作るのに重要だとも考えています。
実際に、参加者3人はテント生活を繰り返すなかで、たしかな生活技術を身に着けていったと思います。 この合宿で株式会社アライテント様から、このように共同のテントを借用できたことは、この合宿の肝心な部分を作り上げるなかで重要な役割となり、心から感謝しております。 また、Hitsujiふたりが使用したテントも、自分たちが普段から使っているアライテントでした。 かつてヒマラヤ登山でもご提供いただいたことがあり、その頑強で合理的な作りには、信頼を置いています。 あらためまして、ありがとうございました。
Hitsuji Project

Report on 本気合宿3栂海新道 Day3 白馬→朝日小屋 !

いよいよ、天気が巡ってきました! 今日こそ、北アルプスの稜線へ。
白馬岳、雪倉岳を越えて、朝日小屋への旅が始まります。
リーダーは、昨日に引き続き、ハヤコさん。


*****
テントの外は昨日とうって変わってとても静かだった。昨日の停滞するという判断は正しかった。
さあ!今日は歩きますよ。
【8月23日・3日目】
AM1:00起床、おおきなあくびを一つして早速朝食の準備をする。
今日のメニューはパン、具が沢山のマッシュポテト、チーズ、スープと簡単なものを用意して寝起きとは思えない勢いで食べ。テントを撤収していよいよ出発です。
まずはウォーミングアップ、満天の星空の下で行う朝ヨガは宙を飲み込んだような感じで体の隅々までしっかりと目が覚めました!
AM2:45ヘッドライトをつけてまずは白馬岳の頂上を目指して出発。
暗闇のなか道に迷うことはなかったがよく見えない足下はよろよろ、きょろきょろいつも以上に緊張しながら前に進んだ。頂上が近づくにつれて風も強くなり、さらに気を引き締めて歩き続けました。

白馬岳の頂上はまだ真っ暗で展望は全くなかったが本日一番目の頂上アタック、成功なり。
ここから先は初めて歩く道、どんな景色がつづいているのかテンションもあがってきた。

こうやって改めて写真を見ると、ホント真っ暗。
1時起床→出発は、夏山縦走のなかでも「エキストリームの部類」by Histuji-M。



徐々に空が明るくなり稜線が見えてきた、これだ!これこそ北アルプスの縦走だ!
でもなんだか秋の気配が感じられて少し切ない朝を迎えた。
山の朝。歩きながら日の出を見るって、縦走の醍醐味。

暗いうちに距離を稼ぎ、あっという間に三国境。
ただし、ヘッドランプ歩行はそれほど効率がよいわけでもないし、
ルート状況によってはリスクも。
今回は、ハヤコさんがいいルートファインディングをしてくれました。
「1日のなかで白馬岳への登りがいちばん疲れた」というのは、
闇夜を歩いた本心だと思います。

どこまでも続く縦走路に今は5人しかいない。独り占めならぬ5人占めで、雪倉岳目指してGO!GO!












振り返ると、歩いてきた山並みが。


ありがとう、さよなら、白馬岳。



雪倉岳の頂上を越えると今までとは違う新しい景色が広がっていました。水が流れ沢山のお花が咲いてどこまでも乙女チックな縦走路です。











そんな中、朝日小屋へ向かう水平道と朝日岳頂上に向かう分岐に到着。
徐々に赤いかわいい山小屋が見えてきました!






最初に見えた小屋はとてもちいさかったけれど今見える小屋の屋根ははっきりと見えて最後の坂を登りやっと本日のゴール朝日小屋に到着した。
はああああああ、無事ミッションが終了した。


ここからは楽しいテント生活♥

晩御飯までウロウロしていると朝日神社からつながっている虹のゲートが目の前に現れました。本当に此処にこれて良かった。





お楽しみの晩御飯は小池シェフの回鍋肉、肉はなんと大豆ミートを代用して栄養、消化にも優れた技ありの中華をいただきました。
マッキーもお米を完璧に炊き上げ、名人として大きな自信を得たようでした。
 
明日は栂海新道には行けないが、下山後に蓮華温泉が待っている。 温泉♨温泉♨温泉♨

Reported by 早坂玲子

2015-08-30

Report on 本気合宿3栂海新道 Day2 白馬停滞の日

さて、本気合宿2日目です。本日のリーダー、ハヤコさんからのレポートをお届けします♪

予定では、白馬のテント場から白馬岳、雪倉岳を越えて、朝日岳のテント場までの行程でしたが、テントの外は……。
この日の行動をどうするか? 参加者+Hitsuji2匹で話し合います。
いくつかのプランが考えられることを確認し、基本的には参加の3人に判断してもらうようにします。
もし、、、リスキーな判断になったときには、Hitsujiたちが意見するとしても。

朝食の時には決まらなかったけれど、次に約束した3時半に、Hitsuji2匹が参加の3人のテントへ行くと……テントのファスナーを開けた途端、3人が口をそろえて言いました。
Hitsujiたちが来る前に(朝食後にひと寝入りしているあいだに)、3人で昨晩のうちに得ていた情報をもう一度見直し、現在の外の様子を観察し、地形図も見ながら、決めたようです。

自分とチームの技量と照らし合わせて率直な意見を出し合ったことに、価値があったと思います。

登山は自然のなかで行なうもの。私たちが自然条件に合わせて行動していくわけです。
停滞することだって、登れないことだって登山の一部であり、時々あることです。
どんな条件であっても、ストレスをためずに、心身健やかに過ごせるようになったら、強い山ヤになれますね!
今回の私たちの停滞は、なかなかいい休養と気分転換ができたと思います。

では、ハヤコさんのレポートに移ります!

*****

相変わらずテントの外は強風が吹いていた。打ち付ける風でテントはバタバタと大きな音を立てなかなか寝付くことができなかった。
明日はどうなるんだろう・・・不安のまま浅い眠りについた。

【8月22日・2日目】
AM1:00起床。
テントの外は相変わらず10メートルを超える強風が吹き、雨が降っていた。
そんな中私たちは手際よく朝食の準備をした。
今日の朝食は薬味たっぷりの鳥雑炊、やさしい味付けにさらさらとのどを通っていった。

その後、今日の行動についての話し合いが始まった。予報では回復傾向 だったが昼でも風速は10メートルを予報していた。
現時点でも風は強く出発は困難だったので再度3時半に最終決定を出すことにした。

3時半、雨は弱まっていた。しかし、風は一向に弱まる気配はなかったので全員一致で停滞が決定した。(良かった!)

停滞が決まりやっと緊張から解放されてここからは食べる、寝る、話すの平和な時間が始まった。

テント場を管理している白馬岳頂上宿舎のカフェへ。
5人そろってケーキセット。マッキーは2個セット。
食べているだけではありません。
電波が通じるのでスマホで気象情報と明日予定している朝日岳周辺の情報を収集し、
地形図を見ながら話し合いも。


山小屋で食べるコーヒーとケーキは格別です。
そして、その後は、夕ご飯の準備です。
うどんには沢山の具をのせます。

今日の食事はハヤコさんの仕切り。
テント内での食事作りや荷物整理、そして寝ることなど、
いわゆるテント生活には、皆さんほんとうに慣れました!
それぞれが自然と役割分担をし、次に何をするべきか想定しながら、効率よく動きます。

稲庭うどんの上には、蒲鉾、土佐のカツオフレーク、ウズラの卵、
わかめに長ネギが載っています。
ゴマとドライフーズのゆず、あるいは七味をふりかけて、さらに美味しくなります♪
停滞日だったために運動量も少なく、
サイドメニューのちらし寿司には誰もたどり着けませんでした(翌日の行動食になりました)。


そして、デザートはプリンと紅茶風味のイチ ジクは女子力のあかしです。

ココでプリンの写真を載せたいのですが、ピントがボケていて載せられません……ごめんなさい。
ということで、言葉で説明いたしますと……
Hitsuji-Mが隠し持っていたプリンの素が出てきまして、
お茶袋(お茶類やコーヒーなどが大量にセットされたパックのこと。食前食後、テントに着いてすぐ、あるいは休憩時間にここから飲み物を出して、どんどん飲みます)のなかのスキムミルクを使って、作ります。
さらにすごかったのが、マッキーがイチジクを出してきたこと。
干しイチジクがふっくらしているので、「どうしたの?」と聞くと、「紅茶で漬けておいた」と。やるじゃんっ!


夜、目が覚めて外に出ると満天の星空が広がっていた。
南の空に向かって流れ星が一つ消えていった。

Reported by 早坂玲子