2015-08-30

Report on 本気合宿3栂海新道 Day2 白馬停滞の日

さて、本気合宿2日目です。本日のリーダー、ハヤコさんからのレポートをお届けします♪

予定では、白馬のテント場から白馬岳、雪倉岳を越えて、朝日岳のテント場までの行程でしたが、テントの外は……。
この日の行動をどうするか? 参加者+Hitsuji2匹で話し合います。
いくつかのプランが考えられることを確認し、基本的には参加の3人に判断してもらうようにします。
もし、、、リスキーな判断になったときには、Hitsujiたちが意見するとしても。

朝食の時には決まらなかったけれど、次に約束した3時半に、Hitsuji2匹が参加の3人のテントへ行くと……テントのファスナーを開けた途端、3人が口をそろえて言いました。
Hitsujiたちが来る前に(朝食後にひと寝入りしているあいだに)、3人で昨晩のうちに得ていた情報をもう一度見直し、現在の外の様子を観察し、地形図も見ながら、決めたようです。

自分とチームの技量と照らし合わせて率直な意見を出し合ったことに、価値があったと思います。

登山は自然のなかで行なうもの。私たちが自然条件に合わせて行動していくわけです。
停滞することだって、登れないことだって登山の一部であり、時々あることです。
どんな条件であっても、ストレスをためずに、心身健やかに過ごせるようになったら、強い山ヤになれますね!
今回の私たちの停滞は、なかなかいい休養と気分転換ができたと思います。

では、ハヤコさんのレポートに移ります!

*****

相変わらずテントの外は強風が吹いていた。打ち付ける風でテントはバタバタと大きな音を立てなかなか寝付くことができなかった。
明日はどうなるんだろう・・・不安のまま浅い眠りについた。

【8月22日・2日目】
AM1:00起床。
テントの外は相変わらず10メートルを超える強風が吹き、雨が降っていた。
そんな中私たちは手際よく朝食の準備をした。
今日の朝食は薬味たっぷりの鳥雑炊、やさしい味付けにさらさらとのどを通っていった。

その後、今日の行動についての話し合いが始まった。予報では回復傾向 だったが昼でも風速は10メートルを予報していた。
現時点でも風は強く出発は困難だったので再度3時半に最終決定を出すことにした。

3時半、雨は弱まっていた。しかし、風は一向に弱まる気配はなかったので全員一致で停滞が決定した。(良かった!)

停滞が決まりやっと緊張から解放されてここからは食べる、寝る、話すの平和な時間が始まった。

テント場を管理している白馬岳頂上宿舎のカフェへ。
5人そろってケーキセット。マッキーは2個セット。
食べているだけではありません。
電波が通じるのでスマホで気象情報と明日予定している朝日岳周辺の情報を収集し、
地形図を見ながら話し合いも。


山小屋で食べるコーヒーとケーキは格別です。
そして、その後は、夕ご飯の準備です。
うどんには沢山の具をのせます。

今日の食事はハヤコさんの仕切り。
テント内での食事作りや荷物整理、そして寝ることなど、
いわゆるテント生活には、皆さんほんとうに慣れました!
それぞれが自然と役割分担をし、次に何をするべきか想定しながら、効率よく動きます。

稲庭うどんの上には、蒲鉾、土佐のカツオフレーク、ウズラの卵、
わかめに長ネギが載っています。
ゴマとドライフーズのゆず、あるいは七味をふりかけて、さらに美味しくなります♪
停滞日だったために運動量も少なく、
サイドメニューのちらし寿司には誰もたどり着けませんでした(翌日の行動食になりました)。


そして、デザートはプリンと紅茶風味のイチ ジクは女子力のあかしです。

ココでプリンの写真を載せたいのですが、ピントがボケていて載せられません……ごめんなさい。
ということで、言葉で説明いたしますと……
Hitsuji-Mが隠し持っていたプリンの素が出てきまして、
お茶袋(お茶類やコーヒーなどが大量にセットされたパックのこと。食前食後、テントに着いてすぐ、あるいは休憩時間にここから飲み物を出して、どんどん飲みます)のなかのスキムミルクを使って、作ります。
さらにすごかったのが、マッキーがイチジクを出してきたこと。
干しイチジクがふっくらしているので、「どうしたの?」と聞くと、「紅茶で漬けておいた」と。やるじゃんっ!


夜、目が覚めて外に出ると満天の星空が広がっていた。
南の空に向かって流れ星が一つ消えていった。

Reported by 早坂玲子

2015-08-26

Report on 本気合宿3 @栂海新道 Day1 白馬大雪渓 (8/21)

ほんとうに、いい夏でした!
本気合宿メンバーのマッキー、のりちゃん、ハヤコさんとHitsuji2匹で過ごした、2015年の夏山。
最後は、栂海新道。北アルプス北部の名峰・白馬岳から日本海へと目指します。

初日のレポートは、リーダーのマッキーこと新井牧子さんから。
安定した歩行、抜群の体力とボッカ力にスピードと申し分ない強さで、私達メンバーを引っ張ってくれました。

スタートは、小雨が降り、けっしてベストコンディションではありませんでしたが、視界がよかったことと、降雨量がそれほど多くはなかったことから判断し、予定通り大雪渓のルートを選択しています。
秋道のトラバースなど不安定な箇所もありましたが、落ち着いて行動できたと思います。
 
テント場に着いたときには、雨具のなかの蒸れや汗もあり、身体が冷えていましたが、風が吹く中、みんなあっという間に確実にテントを張り、すぐにお茶を作って、身体を温めました。
こういう登山の生活技術は、ほんとうに身についてきました。

最後にもうひとつ補足すると、この本気合宿は、山に入る前に必ず全メンバーが集まって、都内某所で白熱MTGをしています。
それぞれが仕事や家族のことなどいろんな日常を抱えるなかで、けっしてラクなことではないでしょう。でも、19時半には集まって、22時まで、みっちりと話し合います。
ルート状況の確認、各係(食糧、装備、医療、気象)からの発表や提案など。
MTGのあと、Hitsujiたち2匹はさらにHitsujiMTGをし、そして今回は、マッキー、のりちゃん、ハヤコさんの3人は、別の日にも集まって、最終のそのまた最終MTGを行なったそうです。装備や食糧の適切な選択と軽量化など、念入りに準備を進めていました。
 
とくに今回時間をかけたのは、代替案についてです。
降雨や視界不良で大雪渓を登るのはリスクが高いので、その場合は栂池高原から白馬大池へとアプローチしようという案。さらには、天候によってはルートそのものを変更することも考え、北アルプスのほかの縦走路と朝日・飯豊連峰のルートを準備しました。
天候によって、ルートや登山の内容を変更するのは、ごく自然なこと。
プランAに固執する必要はありません。プランB、プランCも検討しよう、そして、5人で山を縦走しようというのが、私達の考えでした。
そのためには、「じゃ、いっそのこと、台湾に飛ぶ? 日本の天候には引きずられないでしょ」とか大掛かりなアイディアも出たほど。
 
じつはこの代替案、前回の種池のテント場で、参加者たちから出た話でした。
それが何よりも、Hitsujiたちは嬉しく。
栂海新道というのは、私達本気合宿のシンボルであり、Hitsuji2匹も大好きな縦走路だけれど、それにこだわるのではなく、最後こそ、みんなで力を合わせて、この夏の山を締めくくろうと思ったのでした。
 
はい、前置きが長くなりました。
ではでは、初日のリーダー、マッキーのレポートを読んでください!

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本気合宿③のMTGは白熱を期し、予定時間では足りなかった。
目指すは4日間に及ぶ縦走であり、ルート想定や全員に伝えるべき事項が多過ぎた。
代替案は3ルートに及び、 食糧は、米14合・お茶15種類・ガス缶7缶の計画を練った。
すべての事項を詰めていった矢先、ダブル台風発生…。
しかし代替案はある‼︎  前線、寒気、台風と読みずらい天気でギリギリまで行先をねばった…。
出発日前夜21:31分、Hitsuji-M氏よりメールが入る。
件名:【栂海新道決定】 であった。
栂海新道にこだわっていた訳ではないが、なんだかほっとした。
 
【8月21日・1日目】
早朝、猿倉荘に集合した私達の頭上には厚い雲が覆っていた。
小雨まで降りだす始末、だんだん重くなるザックを担ぎ歩き出す。
白馬尻山荘に着く頃には、本降りになってきた。  
 
                     大雪渓をバックに、”使用前”の私たち

 大雪渓取付きに付き、スプーン状になっている雪面と点在している落石を仰ぎ見ていたら、雪渓歩きに慣れていない私はビビってしまい、トップをHitsuji-S氏にお願いした。
トップではない安心感もあり、S氏の歩調を真似しているうちに、だんだん雪渓歩きも楽しくなった。
上部に注意しながら、ひと息

雪渓を渡る風は冷たく、栄養補給
 
こんな天候で平日なのに一列で歩く人の多さにもびっくりもした。 大雪渓後はもう秋道になっているが、落石危険も多いらしく丁寧に通過。
その後、お花畑の背後に羊背岩と言うものがあるらしいが、ガスガスで確認出来なかった、無念。
 
                                お花もずぶぬれ……
 


テン場に到着し、さっさとテント設営をしてずぶ濡れになった体をお茶をしながら温めた。 米7合の浸水も忘れず行う。この本気合宿で米炊きを完璧にマスターする課題も秘めていた。 そういえば、スワヒリ語でマジとは水ではないか!

全員でテントに入り、わいわい夕飯を作り、ズーズーお茶をし、しんみり翌日のMTGをしていると体も心も温まった。
やはりこの時間は楽しく和む。この日のテーマは「女子力」について。
マッキーの課題。山で生米を美味しく炊くことは、初日からコンプリート!
夕食のハヤシライスは、市販のルーにリンゴと蜂蜜ペースト、
さらには、マッキーが自宅で(呑みながら)玉ねぎ5個も
きつね色になるまで炒めてきたのが隠し味となっている。
これぞ、「女子力」!

デザートは、サツマイモのマッシュポテトを使って。
干し葡萄は、グランマルニエに漬け込んできてくれた!
「女子力」10倍!
 
やがて、 前線通過の影響か外の風はだんだん強度を上げていった。
しなるテント中、1日目は無事終了した。
 
                                            Reported by 新井牧子